住宅の完成後、いよいよ施主へと物件が引き渡される段階になると、「これで家づくりは一段落」と思われがちですが、実はこのタイミングがとても重要です。引き渡し時には、建物の仕上がりや設備の動作状況、契約通りに施工されているかなど、最終確認を行う必要があります。
確認を怠ると、後で不具合や契約の不一致に気づいても、修正が難しい場合があります。この記事では、引き渡し時に確認すべきポイントをチェックリスト形式で紹介し、安心して新居生活をスタートできるようサポートします。
引き渡し時の流れと心構え
竣工検査と引き渡しの違い
まず、「竣工検査」と「引き渡し」は似ているようで異なる工程です。
- 竣工検査:施工業者と施主が建物の完成状態を確認するタイミング
- 引き渡し:すべての不具合が是正された後、正式に物件を施主に引き渡す手続き
竣工検査での指摘内容は、引き渡し前に修正されていることが前提です。引き渡し当日は、修正の完了確認と最終確認に重点を置きましょう。
引き渡し時チェックリスト
建物の外観と構造
- 外壁にひび割れや汚れがないか
- 屋根の仕上がりや雨樋の取り付けが正常か
- 外構(門・塀・駐車場など)が契約内容通りか
外観は時間が経つと修正が難しいため、明るい時間帯に確認するのがおすすめです。
内装と仕上げ
- クロスに浮きや剥がれ、汚れがないか
- 床材の傷や不自然な凹凸がないか
- 窓やドアの開閉がスムーズか
- 建具(収納扉・引き戸など)が正しく設置されているか
細かい部分こそ生活に影響を与えるので、慎重に見ておきたいポイントです。
水まわり設備
- 蛇口の開閉、湯水の切り替えがスムーズか
- 排水がスムーズで水漏れがないか
- トイレの水がしっかり流れるか
- 洗面台や浴室に傷・汚れがないか
可能であれば、水を実際に流して動作確認を行いましょう。
電気設備・照明
- 各部屋の照明が正常に点灯するか
- コンセント・スイッチの位置が契約通りか
- インターホン、換気扇、火災報知器の動作確認
- 分電盤(ブレーカー)の表示と動作に問題がないか
不具合があっても気づきにくいため、念入りな確認が必要です。
換気・断熱・窓の機能
- サッシや網戸の開閉がスムーズか
- 結露の痕跡がないか
- 換気システムが稼働しているか
住宅の性能面に関わるため、断熱や気密性のチェックも重要です。
契約内容との照合も忘れずに
引き渡し時は、「設計図」「仕様書」「追加変更記録」と照らし合わせながらチェックすることが大切です。
- コンセントや照明の位置・数
- オプション設備の有無
- 建材のグレードや種類
- 外構や庭の仕様
施主自身の記憶だけに頼るのではなく、文書ベースで確認することで誤認を防げます。
引き渡し後のトラブルを防ぐために
是正記録は書面で残す
気になる点があれば、その場で指摘し、是正内容を書面で記録しておくと安心です。
住宅設備の取扱説明と保証書の確認
-
各設備の取扱説明書・保証書がそろっているか
-
引き渡し時に設備の使用方法やメンテナンス方法の説明があるか
後々困らないよう、ファイルにまとめて保管しておきましょう。
第三者による立ち合いも検討を
施主がすべてを一人で確認するのは大変です。必要に応じて、
- 建築士
- 住宅検査(ホームインスペクション)業者
などの第三者に立ち合いを依頼するのも一案です。専門知識があることで、見落としを防げます。
まとめ
引き渡し時は、これまでの家づくりの集大成とも言える大切な場面です。「すでに完成しているから安心」と思わず、事前にチェックリストを用意し、一つひとつ丁寧に確認していくことが重要です。
万一、不具合や不備が見つかっても、早めに指摘しておくことでスムーズな是正対応が期待できます。安心して新生活を始めるためにも、納得いくまで確認を行うことをおすすめします。