初めて不動産を売却するときは、何から始めればよいのか迷いやすいと思います。戸建てやマンション、土地など種類に関わらず、売却の基本的な流れは共通している部分が多いため、全体像をつかんでおくと進めやすくなります。ここでは、初めてでも取り組みやすいように、売却のステップと事前準備について整理してみます。
不動産売却の全体の流れ
売却は大きく次の6つのステップで進みます。
- 情報収集・事前準備
- 査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 販売活動の開始
- 購入希望者との交渉・契約
- 引き渡し・精算
ひとつひとつの工程で必要なことを知っておくと、スムーズに進むことが多いです。
情報収集と事前準備
売却の前に、家や土地の状態をできる範囲で整理しておくと、その後の査定や販売活動が進めやすくなります。
物件の基本情報を確認する
- 登記上の面積
- 建築年数
- リフォーム履歴
- 地盤調査や保証の情報があればそれも保管
特にマンションの場合は、管理費・修繕積立金・滞納の有無など、管理組合が持つ情報も重要になります。
書類をそろえておく
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 固定資産税納税通知書
- 購入時のパンフレット・間取り図
- インスペクション(住宅診断)の結果があれば添付
必須ではありませんが、事前にそろっているほど査定の精度が上がりやすくなります。
査定を依頼する
査定は「売却価格の目安」を知るための大切な工程です。複数の会社に依頼することで、適正な価格帯を把握しやすくなります。
査定には2種類ある
- 机上査定(簡易査定):住所や間取りをもとに算出する簡易的な価格
- 訪問査定:実際に建物を見たうえで算出する精度の高い価格
最終的な販売価格を決めるときは、訪問査定の内容が参考になることが多いです。
不動産会社と媒介契約を結ぶ
売却を正式に任せるときは、不動産会社と「媒介契約」を結びます。契約の種類によって、依頼できる会社数や販売方法が変わります。
媒介契約の種類
- 専属専任媒介:1社にのみ依頼、自分で買主を見つけることは不可
- 専任媒介:1社に依頼するが、自分で見つけた買主との契約は可能
- 一般媒介:複数の会社に依頼可能
初めての方は「専任媒介」を選ぶケースが多く、連絡や進捗の管理がしやすい印象です。
販売活動を開始する
査定価格をもとに売り出し価格を決め、広告活動が始まります。価格の設定は慎重に行うほど、早期売却につながりやすくなります。
よく行われる販売方法
- 不動産ポータルサイトへの掲載
- 不動産会社の店頭・ネットワークでの紹介
- チラシや周辺へのアプローチ
内覧では、きれいに片付いた印象が買主に伝わりやすいため、整理整頓を意識しておくのがよいと思います。
購入希望者との交渉・契約
内覧の結果、購入希望者が見つかると、価格や引き渡し時期などを相談しながら条件を調整していきます。
価格交渉はよくあるプロセス
提示価格よりも低い金額で申し込みが入るケースもあります。希望条件を事前に決めておくと、スムーズに判断しやすくなります。
売買契約で行うこと
- 重要事項説明の確認
- 売買契約書への署名・押印
- 手付金の受け取り
不安な点があれば、不動産会社に遠慮なく質問しながら進めるのが安心です。
引き渡しと精算
決済日に残代金を受け取り、所有権移転の手続きを行います。鍵の引き渡しや公共料金の清算もこのタイミングで行います。
決済日に必要なもの
- 権利証(または登記識別情報)
- 印鑑・身分証
- ローン残債がある場合は金融機関との調整
この日をもって売却が完了となり、手元に残る金額が確定します。
まとめ
売却の流れを理解しておくことで、大きな不安を感じずに進められることが多いです。事前準備を丁寧に行い、査定や契約といった段階で不明点をひとつずつ確認しながら進めていくと、納得のいく売却につながりやすいと思います。
