マイホームを建てるにあたって、多くの方が悩むのが「どのハウスメーカーを選べばいいか」という点かと思います。
各社のカタログを見ても、どこも良さそうに見えますし、実際にどこが自分たちに合っているのかを見極めるには、いくつかの視点から比べてみることが必要かと思います。
ここでは、ハウスメーカーを比較する際に注目したい3つのポイント「価格」「性能」「保証」について、それぞれどこを見ればいいのかを整理してみます。
価格|本体価格だけで判断しない
まず気になるのが価格の違いです。住宅展示場で話を聞いてみると、「坪単価60万円~」といった表記を見かけることがありますが、実際にはオプションや付帯工事などが加わってくるため、総額は大きく変わります。
比較する時には、以下のような点をチェックするとよいです。
- 坪単価は何が含まれているのか(本体工事費のみ? 諸経費込み?)
- 外構・地盤改良・照明・カーテンなど、別途費用がかかる項目は何か
- 見積書の内訳が細かく記載されているか
価格の安さだけで選ぶと、後から追加費用が膨らむこともあるので、最終的な総費用で比べるのが安心です。
性能|断熱・耐震・劣化対策などの数値
性能面は、住み心地やランニングコスト、将来の資産価値に直結する部分です。各社が強みとしている項目も異なるため、自分たちが重視したい点を決めてから比較すると、違いが見えやすくなります。
注目したい指標の例:
- 断熱性能(UA値、ZEH対応、断熱材の種類)
- 耐震性能(耐震等級、制震構造の有無)
- 劣化対策(耐久年数、躯体や下地材の仕様)
- 気密性能(C値:隙間の少なさを示す指標)
特にUA値とC値は、家の快適さと光熱費に大きく影響します。「数値で明示されているか」「第三者機関の認証を受けているか」なども判断材料になります。
UA値(ユーエーち)=外皮平均熱貫流率
建物全体から、どれくらい熱が逃げやすいかを示す指標です。
「数値が小さいほど断熱性能が高い(=熱が逃げにくい)」という意味になります。
どうやって計算される?
壁・床・屋根・窓など、建物の外と接している部分(=外皮)から逃げる熱量を合計し、外皮全体の面積で割って算出します。
目安となる数値
地域区分 | UA値の基準(ZEH基準) |
---|---|
6地域(例:東京) | 0.6 W/㎡K以下 |
5地域(例:名古屋) | 0.6 W/㎡K以下 |
3地域(例:盛岡) | 0.5 W/㎡K以下 |
※ZEH=ゼロエネルギーハウス基準(省エネ住宅の指標)
C値(シーち)=相当隙間面積
建物全体にどれくらいの“すき間”があるかを示す指標です。
「数値が小さいほど気密性が高い(=すき間が少ない)」という意味になります。
単位
C値は「㎠/㎡(平方センチメートル/平方メートル)」で表します。
どれくらいが良い数値?
- 1.0㎠/㎡以下:一般的に「高気密住宅」とされる水準
- 0.5㎠/㎡以下:断熱効果・冷暖房効率がさらに良くなる
- 0.3㎠/㎡以下:気密性に非常に優れた住宅(高性能住宅)
注意点
C値は実際に建ててから測定するため、設計段階での「予測値」ではなく「実測値」が提示されているかが重要です。
保証|初期保証と延長保証の仕組みに違いあり
住宅は長く住むものだからこそ、アフターサービスや保証体制も大切な比較ポイントです。各社で異なるのが「保証期間の長さ」と「延長条件」です。
- 構造・防水に対する初期保証は10年が基本(法律上の義務)
- 一部のハウスメーカーでは、条件付きで20年・30年と延長できる
- 点検や補修を定期的に受けることで延長が可能なケースも
また、
- 無料点検の頻度と範囲(何年ごと? どこまでカバー?)
- 設備機器(給湯器や換気扇など)の保証期間
- 緊急対応やコールセンターの対応時間
といった実用面も比較しておくと、住み始めた後の安心感につながります。
まとめ
ハウスメーカーを選ぶときは、「なんとなく大手だから安心」ではなく、できるだけ自分たちの希望や暮らし方に合った選択肢を見つけることが大切になるかと思います。
価格・性能・保証、それぞれに違いがあるので、いくつかの会社に資料請求をしたり、モデルハウスで話を聞いてみたりして比較していきます。「この担当者となら家づくりを任せられそう」と感じる相性も大事な判断材料になることがあります。