住宅ローンの選び方 金利は固定と変動どっちが得か

マイホームを購入するとき、多くの方が利用する住宅ローンは金額も期間も大きいので、ローンの選び方は家づくりと同じくらい重要なポイントになるかと思います。

ここでは住宅ローンの基本と、固定金利・変動金利の違いや選び方の考え方をまとめてみました。

住宅ローンの基本構造

住宅ローンは、マイホームを購入・建築する際に金融機関からお金を借り、毎月返済していく仕組みです。

主な特徴は以下の通りです:

  • 借入期間:最長35年が一般的
  • 借入額:年収や返済能力に応じて決まる
  • 返済方法:元利均等返済・元金均等返済の2種類
  • 金利タイプ:固定金利・変動金利・固定期間選択型など

なかでも金利タイプの選択は、長期的な返済計画に大きな影響を与えます。

固定金利と変動金利の違いと特徴

住宅ローンの金利には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

固定金利

  • 契約時に決めた金利が返済終了まで変わらない
  • 金利上昇のリスクがないため、将来の支出が読みやすい
  • その分、変動金利より金利が高めに設定されている

変動金利

  • 半年ごとに金利が見直され、情勢によって変動する
  • 当初の金利は低めに設定されていることが多い
  • 金利上昇によって返済額が増えるリスクがある

金利タイプごとのメリット・デメリット

固定金利のメリット

  • 返済額が一定なので、長期的な家計計画が立てやすい
  • 将来的に金利が上がっても影響を受けない
  • 精神的な安心感がある

固定金利のデメリット

  • 変動金利より初期金利が高い
  • 金利が下がっても恩恵を受けられない
  • 初期の返済額がやや重くなる傾向がある

変動金利のメリット

  • 当初金利が低いため、月々の返済額を抑えられる
  • 短期返済や繰上返済を予定している場合に有利
  • 低金利が続く限り、支払い総額が少なくなる可能性がある

変動金利のデメリット

  • 将来の金利上昇によって返済額が増える可能性がある
  • 家計に不安定な要素を抱えることになる
  • 長期的な見通しが立てにくい

金利タイプごとの返済シミュレーション(借入額3,000万円・35年返済の場合)

【固定金利:金利1.5%の場合】
毎月返済額:約91,000円
総返済額:約3,822万円

【変動金利:金利0.5%の場合】
毎月返済額:約76,000円
総返済額:約3,210万円(※金利が変わらなかった場合)

【変動金利(途中で金利が上昇し1.5%に上がった場合)】
毎月返済額:約91,000円前後(将来的に上昇)
総返済額:約3,500〜3,800万円程度に増加する可能性あり

※あくまでシンプルな試算です。実際はローン条件や金融機関によって異なります。

固定期間選択型という選択肢もある

固定期間選択型は、「当初10年間は固定金利、その後は変動金利に切り替え」など、一定期間だけ金利を固定にするタイプです。

  • 変動金利より少し高め、全期間固定より低めの中間的な金利
  • 期間終了後に金利が上がる可能性があるため、見通しを立てておく必要がある

リスクをある程度抑えながらも、返済額を低めにしたい人に向いています。

金利以外にもチェックしたいポイント

  • 団体信用生命保険(団信)の保障内容(がん・三大疾病など)
  • 繰り上げ返済の手数料や条件
  • 金融機関独自の特典や優遇制度
  • ネット銀行とメガバンクの比較(手数料・サポート体制)

金利だけでなく、長期的な安心感や使い勝手も比較検討する項目になります。

金利の推移と今後の見通し

日本の住宅ローン金利は長らく低水準が続いていましたが、今後は上昇していく可能性もあります。金利がわずかに上がるだけでも、返済総額には大きな影響があります。

「今の金利がずっと続くとは限らない」という前提で、シミュレーションをしておくと安心です。

金利タイプ選びはライフプランとリスク許容度で考える

住宅ローンは、単に「金利が低いものを選べばいい」というものではありませんので、家計の状況やライフスタイル、将来の見通しを考慮して、無理のない返済ができるプランを選ぶようにします。

金融機関の相談窓口やファイナンシャルプランナーからアドバイスをもらうこともできますが、最終的には自分で選べるように判断基準を持つためにも基本的な情報を知っておくことが大事になるかと思います。

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